はじめに:想いの力を信じていますか?
皆さんは「強い想いは現実になる」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。多くの成功哲学や自己啓発書で語られるこの概念は、単なる美しい言葉なのでしょうか、それとも実際に効果のある原理なのでしょうか。
私は2010年頃、この言葉の真実を目の当たりにする機会がありました。今回は元プロ野球選手の廣瀬純さん(現・広島東洋カープコーチ)の現役時代に起きた実話を通して、夢を実現するための大切な要素についてお伝えしたいと思います。
この物語には、目標設定の重要性、明確なビジョン、そして諦めない心の力が詰まっています。日常生活で壁にぶつかり、自分の目標が遠のいていると感じている方にこそ、ぜひ最後まで読んでいただきたいと思います。
明確な目標設定がすべての始まり
人生の航海において、目的地のない船は、どこにも辿り着くことはできません。2009年から1軍に定着した廣瀬選手は、2010年のシーズン初めに私と行ったミーティングで、はっきりとした「航路図」を描きました。
「今年の目標はどうしますか?」という私の問いかけに、彼は迷うことなく答えました。
1.1軍定着を継続する - 昨年からの基準を維持する
2.オールスターに出場する - 新たな高みへの挑戦
3.ゴールデングラブ賞を獲得する - 自信のある守備力を証明する
目標設定の専門家が指摘するように、彼の目標は「SMART」の原則に沿っていました:
- Specific(具体的):単に「もっと良くなりたい」ではなく、明確な達成目標
- Measurable(測定可能):出場するかしないか、賞を取るか取らないか、明確に判断できる
- Achievable(達成可能):現実離れした目標ではなく、努力次第で手が届く範囲
- Relevant(関連性):彼の野球人生における次のステップとして意味のある目標
- Time-bound(期限付き):その年のシーズン内という明確な時間枠
行動のヒント あなたの目標は「SMART」の原則に従っていますか?あいまいな目標は、あいまいな結果しか生みません。今日、あなたの目標を紙に書き出し、各項目が具体的で測定可能かチェックしてみてください。
特に興味深かったのは、廣瀬選手の自己認識の正確さです。守備力には定評があり、ゴールデングラブ獲得には強い自信を持っていました。しかし同時に、オールスター出場に関しては自信がなく、支援が必要だと正直に認めていたのです。
この自己分析の正確さこそ、目標達成への第一歩です。自分の強みと弱みを正確に把握することで、適切な戦略を立てることができるのです。
理想と現実のギャップを埋める行動力

目標を設定することは船の航路を決めることに似ています。しかし、実際に船を動かすためには、船員たちの日々の努力が必要です。廣瀬選手は「オールスターに出たい」という夢を抱くだけでなく、それを実現するための具体的行動に移しました。
「選ばれるかどうかはわからない。だけど、やるだけやってみる。プレーは今シーズンも徹底的に頑張ってやってみる。」
この姿勢は、成功者に共通する特徴です。不確実性を認めつつも、自分のコントロールできる部分に全力を注ぐ。これこそが、夢と現実の架け橋となります。
一方で、廣瀬選手は個人の努力だけでは足りない部分があることも理解していました。オールスター出場はファン投票に大きく依存するため、サポートが必要だったのです。
チームワークと周囲のサポートの重要性
「ぜひ協力をしてほしい」という廣瀬選手の言葉を受けて、私は自身の所属するコミュニティの約200名のメンバーにファン投票の呼びかけを行いました。大きな目標ほど、一人の力だけでは達成が難しいものです。
これは、ビジネスや人生のあらゆる局面で当てはまる真理です。スティーブ・ジョブズがアップルを成功させたのは彼一人の力ではなく、ウォズニアックをはじめとする多くの才能あるチームメイトの協力があったからこそです。
行動のヒント あなたの目標達成を支援してくれる「応援団」は誰ですか?家族、友人、メンター、同僚…。彼らに自分の目標を共有し、必要な場面でサポートをお願いしてみましょう。また、あなた自身は誰かの夢を応援していますか?互いに支え合うことで、成功の可能性は何倍にも高まります。
オールスターの選出プロセスは複雑で、ファン投票、選手間投票、プラスワン投票、監督推薦と複数の段階があります。これは、大きな目標への道のりが多くのハードルで構成されていることの象徴とも言えるでしょう。一つのドアが閉まれば、別のドアを探す必要があるのです。
挫折の瞬間:諦めるか、準備を続けるか
努力と支援にもかかわらず、残念な結果が訪れます。ファン投票、選手間投票、プラスワン投票、監督推薦のいずれにおいても、廣瀬選手はギリギリのところで選出されませんでした。
「選手間投票だと2位、プラスワンも2位、監督推薦も、あと1人枠があれば指名するよ」と言われるほど、彼は常に「もう少し」のところにいました。
この瞬間、多くの人は落胆し、「もう無理だ」と諦めてしまうかもしれません。しかし、成功者と挫折者を分けるのは、まさにこの瞬間の対応なのです。
選出されなかった発表の日、私たちは新横浜のホテルで会いました。目的は、応援してくれたファンへの感謝の気持ちとしてグッズにサインをしてもらうことでした。注目すべきは、廣瀬選手がこの落胆の瞬間にも、支援者への感謝を忘れなかったことです。
「残念だったけどしょうがないね」と話し、私は帰路につきました。敗北を受け入れつつも、感謝の気持ちを表現する—これもまた成功者の特質です。
奇跡の電話:準備された人に機会は訪れる
「チャンスの女神は前髪しかない」という言葉があります。つまり、チャンスは正面から近づいてきたときに掴まなければ、通り過ぎた後では掴むことができない、という意味です。
翌日の昼間、私の電話が鳴りました。廣瀬選手からの連絡です。
「山家さん、栗原が怪我をして辞退したため、僕が選ばれることになりました!」
奇跡とも言える出来事が起こったのです。実は栗原選手という優れたバッターが選出されていましたが、怪我により辞退することになり、次点だった廣瀬選手にチャンスが回ってきたのです。
この出来事から学べることは、「準備された人に機会は訪れる」ということです。もし廣瀬選手が「どうせ選ばれない」と思い、シーズン中の努力を怠っていたら、次点にすら入っていなかったでしょう。もし彼が実力を発揮できていなかったら、代替選手として声がかかることもなかったでしょう。
行動のヒント 人生では「敗北」の後に思わぬ「チャンス」が訪れることがあります。重要なのは、どんな状況でも自分の準備を怠らないこと。あなたの人生で、一度は「ダメだった」と思ったことが、思わぬ形で実現した経験はありませんか?その時、あなたは準備ができていましたか?
成功の方程式:廣瀬選手から学ぶ4つの要素

廣瀬選手のシーズンは充実していました。打率3割以上、2桁ホームランという好成績を残し、規定打席に到達すればゴールデングラブも射程内でした。彼の成功の背景には、以下の明確な要素がありました。
1. 強い思いと明確なビジョン
廣瀬選手は単に「うまくやりたい」というあいまいな願望ではなく、「オールスターに出場する」「ゴールデングラブを獲得する」という具体的なビジョンを持っていました。そして、それを毎日イメージしていたのです。
心理学者は、明確なビジョンを持ち、それを定期的にイメージすることで、脳がその目標に対する「地図」を作り始めると説明します。これにより、無意識のうちにその目標に近づく行動を取るようになるのです。
2. 揺るがない自信
「自分はできる、やれる、やる」というスタンスが廣瀬選手の行動の基盤でした。この自信は根拠のない楽観主義ではなく、過去の経験と実績に基づいた健全な自己評価から生まれています。
自信があることで、困難に直面しても簡単には諦めず、解決策を見つけようとする姿勢が生まれます。また、周囲の人々も自信を持った人に引き寄せられ、支援したいと思うようになるのです。
3. 徹底した準備
廣瀬選手は怪我の多い選手でしたが、このシーズンは「怪我が起こらないように確実な配慮をしながら、盤石な状態を作って臨んでいた」そうです。つまり、自分の弱点を認識し、それを克服するための具体的な対策を講じていたのです。
成功者に共通するのは、この「徹底した準備」の姿勢です。アマチュアは本番だけを見据えますが、プロフェッショナルは本番に至るまでのプロセス全体を重視します。
4. 純粋な意識集中
「ノイズなく純粋に意識が集中できる状態が作れていた」というのが、廣瀬選手のシーズンの特徴でした。心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱する「フロー状態」—時間の感覚が失われるほど活動に没頭している状態—に近いものでしょう。
現代社会では、SNSの通知、メール、ニュース速報など、常に注意を分散させる要素に囲まれています。そんな中で、一つの目標に純粋に集中できる状態を作り出すことは、それ自体が大きな成果なのです。
行動のヒント あなたの目標に対して、上記4つの要素をどれだけ持っていますか? - 明確なビジョンを紙に書き出していますか? - 自信を損なう否定的な自己対話はありませんか? - 目標達成のための準備は十分ですか? - 集中を妨げる「ノイズ」を取り除いていますか? 弱い部分があれば、今日から強化していきましょう。
「奇跡」を引き寄せる生き方:日常への応用
廣瀬選手の物語から学べる最大の教訓は、次の言葉に集約されます。
「こういう条件が整うと、奇跡的な出来事は非常に引き寄せやすくなる。自分自身がこうやると決めていて、そしてなおかつ純粋な思いを持って取り組む。そういったことが、奇跡とも言えるような世界を作り出す。」
この考え方は、スポーツ選手だけでなく、私たち一人ひとりの日常生活にも応用できます。以下に、具体的な応用例を挙げてみましょう。
ビジネスシーンでの応用
新規プロジェクトや昇進を目指す場合、明確な目標を設定し(例:「6ヶ月以内に○○を達成する」)、成功イメージを持ち(「プレゼンがうまくいく姿を想像する」)、自信を持って取り組み(「過去の成功体験を思い出す」)、徹底的に準備し(「想定される質問に全て答えられるようにする」)、集中して取り組む(「プロジェクト時間中はメールやSNSを確認しない」)ことで、「偶然の幸運」が訪れる確率を高められます。
人間関係での応用
良好な人間関係を築きたい場合、明確な意図を持ち(「相手を尊重し、信頼関係を築く」)、ポジティブな関係をイメージし(「互いに支え合う関係を想像する」)、自分の価値を信じ(「私には与えるものがある」)、関係構築のために努力し(「相手の話をよく聞き、理解する」)、一つひとつの出会いに集中する(「会話中はスマホを見ない」)ことで、思わぬ素晴らしい出会いや関係の深まりが生まれやすくなります。
健康面での応用
健康目標を達成したい場合、具体的な目標を設定し(「3ヶ月で5キロ減量する」)、健康的な自分をイメージし(「階段を楽に上れる自分を想像する」)、できるという自信を持ち(「過去に成功した健康習慣を思い出す」)、徹底的に準備し(「健康的な食材を常に冷蔵庫に用意しておく」)、日々の習慣に集中する(「運動中は他のことを考えない」)ことで、「思いがけない健康改善」が起こりやすくなるでしょう。
さあ、あなたの番です:明日ではなく今日から始める
「いつか」という日は、カレンダーに存在しません。ヒロセ選手の物語から学んだことを、今日から実践し始めましょう。以下の6つのステップをご提案します。
1. 心から望む明確な目標を設定する
「もっと成功したい」ではなく、「6ヶ月以内に○○を達成する」という具体的な目標を設定しましょう。その目標は、達成したときに本当に自分が喜びを感じるものですか?他人の期待ではなく、自分の真の望みに基づいていますか?
2. その目標達成を想像し、強くイメージする
朝起きたとき、夜寝る前、または通勤中などの隙間時間に、目標を達成した自分の姿をできるだけ鮮明にイメージしましょう。そのとき、どんな感情を抱きますか?周りの人々はどう反応しますか?できるだけ詳細に想像してください。
3. 「私にはできる」という自信を持つ
過去の成功体験を思い出し、「私は以前も困難を乗り越えてきた」と自分に言い聞かせましょう。自信を持つことは、傲慢になることではなく、自分の可能性を正当に評価することです。
4. 目標達成に必要な行動を毎日続ける
小さな一歩でも構いません。毎日、目標に少しでも近づく行動を取りましょう。これが、「準備された人」になる方法です。そして、「今日は忙しいから明日やろう」という言い訳を避けることが重要です。
5. 周囲のサポートを大切にする
あなたの目標を信頼できる人々に共有し、必要に応じてサポートを求めましょう。同時に、あなた自身も他者の夢を応援する存在になりましょう。互いに高め合う関係は、人生の宝です。
6. 挫折があっても諦めない
途中で壁にぶつかることは、ほぼ確実です。しかし、その壁は「ここで引き返せ」というサインではなく、「本当に価値のあることは簡単ではない」というメッセージかもしれません。ヒロセ選手のように、「もう少し」のところで粘り強く続けることが、思わぬチャンスを引き寄せるのです。
今日の行動チャレンジ
今日中に、以下のことを実践してください。
1. あなたの最も強い「叶えたい思い」を紙に書き出す
2. その実現に向けて今週できる具体的な行動を3つリストアップする
3. そのうちの1つを、今日中に実行する
このシンプルな行動が、あなたの「奇跡」への第一歩となるでしょう。
おわりに:強い想いは、確かに現実を変える

廣瀬選手の物語は、「強い想いは現実になる」という言葉が、単なる美しいフレーズではなく、実際に機能する原理であることを示しています。
もちろん、すべての願いが魔法のように叶うわけではありません。しかし、明確なビジョンを持ち、自信を持って徹底的に準備し、純粋に集中して取り組むことで、私たちは「偶然の幸運」を引き寄せる磁石のような存在になれるのです。
あなたの中の強い思いは何ですか?それは、あなたの行動によって、いつか現実になるかもしれません。その日が来たとき、あなたはきっと「これは奇跡だ」と感じるでしょう。しかし実は、その「奇跡」は、あなた自身が一歩一歩と作り上げてきたものなのです。
*この記事があなたの人生に少しでも良い変化をもたらしたら、ぜひシェアしてください。誰かの人生を変えるきっかけになるかもしれません。また、あなた自身の「強い想いが実現した体験」があれば、コメント欄でぜひ共有してください。皆さんの体験から、互いに学び合いましょう。*
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